頂を目指して

世間一般の話題は、オリンピック開幕。
4年に1度の冬の祭典、アスリート達の死力を尽くした戦いを楽しみにしている人たちも多いことでしょう。
しかし、俺にはその前にこなさねばならない戦いがあるのです。
これを乗り越えねばオリンピックも始まらないのです。
その戦いとは…。

登山。

二度目の挑戦、しかしながら今回はその中でも最高峰に挑む過酷な試練と言えましょう。
生きて帰れるかもわからない、ギリギリのラインに挑戦してみようと思います。
では、行ってきます。
(後刻に続く)

我々が登る山は普通の山とは全く違う。
数々の山人たちを奈落の底へ突き落としてきた魔峰。
油断したら牙をむいてかかってくるのだ、まさに死と隣り合わせ。
それほど名古屋の喫茶「マウンテン」の名は全国に知れ渡っている。
ベースキャンプとなる「いりなか」駅から出発した我々をまず苦しめたのは、おりからの風を伴った寒波と、目的地マウンテンまで延々と続く上り坂。
既に戦いは始まっているのである。
そしてたどり着いた喫茶「マウンテン」
それは7カ月前と同じ様相で、同じ場所にたたずんで我々を見下ろしていた。
今回の目的となるのは、難度では五本の指に入るであろう「甘口イチゴスパ」
イチゴを練り込んだ麺に生クリーム、イチゴ、キウイをトッピングした一品だ。
これを一緒に行った食べるとなると、こちらは少しセーブしつついかなければならない。
山は容赦してくれないのだ。
結果、注文は「甘口イチゴスパ」と「ホワイトソースチキンピラフ」、それに「アメリカンコーヒー」と「ミルクティー」となった。
しかし、既に誤算は始まっていた事を俺はまだ知る由もなかった。